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統一教会の中日家庭コラム 日中国交正常化40周年を迎えて:怨讐関係を超えて共に未来を築きたい

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この記事は、統一教会の合同結婚式で中国人の方と結婚した、北京在住の統一教会員、李めぐみさんによるコラムです。

日本人嫁奮闘記

李めぐみ

今年は日中国交正常化四十周年という、中国と日本にとって大変記念すべき年である。にもかかわらず、国交正常化以来、最悪の事態となってしまったのは大変残念である。

 反日デモの暴徒化は、日本のテレビや新聞でも大きく報道されたと思う。北京では九月十八日をピークにたくさんの人たちが集まって、デモ行進が行われた。日本大使館にもペットボトルや卵が投げつけられていた。

 わが家は大使館から徒歩圏内ということもあって、十八日に大使館付近まで行ってみた。うかつに日本語を話そうものなら、何をされるか分からないような異様な空気が漂っていた。

「日本の犬は出ていけ!」「日本製品は絶対に買わないぞ!」などの掛け声を耳にすると、どうしてこういう事態になってしまったのかと心が痛く、涙が出そうになった。

 地方ではもっとひどい事件も多々起きている。大手日系スーパーが数億元の被害に遭ったり、日本車に乗っていた中国人が暴行を受け重傷を負ったり……。

 ただ、デモ隊の中には雇われた人もいると聞く。また、この日のためにたくさんの卵が準備されたが、その中には一般庶民たちによって(食べるために?)持ち帰られたものもあったそうだ。デモをした人の中でも、反日感情には大きな温度差があったのである。

ここでぜひ注意していただきたいのは、テレビで報道されている情報はかなり視点が偏っているということだ。視聴率を取るために過激な内容ばかりをクローズアップするというやり方はどうにかならないものかと思う。

 あの大変なデモの中で、「愛国精神を暴力で表現するのはやめよう」と暴力反対を訴え、反日デモが通り過ぎた後の片づけに汗を流している団体もあったのである。そのことについてはあまり報道されなかったのが残念でならない。

 私の中国の知人たちは皆、今回の反日デモを残念に思っている。そして、私たち家族の生活を心配してくれた。「歴史は歴史、政治は政治。今はお互いの発展のために仲良くすべきだ」と中国人の友達が言ってくれたことを心強く思う。

 また、日本で行われた経済フォーラムのイベントで、当初出店予定だった中国側企業のキャンセルが相次ぐ中、それでも半数の企業は参加した。そこで中国企業の社長が、「日本の技術や文化は素晴らしい。こういった機会を通してよく学び、お互いに発展できる糸口を見いだしていきたい」と語ったのがとても印象的だった。

NHK交響楽団の北京公演 日中国交正常化四十周年を記念するイベントも多く行われている。私は九月一日に国家大劇場で行われたNHK交響楽団の音楽会に出向いた。

 まだ具体的に反日デモが始まる前ではあったが、日中関係が日に日に悪化しているときに、日本の交響楽団の音楽を聴こうと集まった人たちで、客席はほぼ満席だった。もちろん中国人の観客が大部分を占めていたように思う。

 何に感動したかというと、N響の演奏も迫力があり大変素晴らしかったのだが、何よりも演奏終了後の拍手がものすごかったことだ。たくさんの人が立ち上がって惜しみなく送った大喝采は、これまで私が聞いたクラシックコンサートの中でも群を抜いていたと思う。今回のコンサートで、「音楽は国境を超える」というのは本当だと身に染みて感じた。

十九日以降、中国政府が反日デモを規制したということもあって、今ではすっかり落ち着いてきたようだ。日本食レストランが看板を隠すようにして掲げていた中国国旗なども姿を消し、本来の看板に戻っている。実際、北京は地方に比べて外国人とのかかわりが多い都市でもあるので、そういった面では比較的安全なのかもしれない。

 最近では少しずつ、中国の有名人や中国で活動する日本人俳優、民間の企業などがイベントを行うなど、日中友好のために動きだしている。それぞれの立場で日中友好を願い、頑張っているのだ。

 私も大きなことはできないけれど、中国人と結婚した日本人女性として、祝福家庭として、円満な家庭づくりに努めることはもちろん、身近な中国人との交流を積極的に進めていきたい。そして両国の関係が回復し、お互いの発展のために協力し合うような良好な関係を築いていけるようになることを信じたいと思う。

 今年は大変残念な年になってしまったが、日本人の中には、今まで知らなかった中国人の激しい反日感情に触れ、驚いたかたも多かったのではないだろうか。そういう意味では、これもまた大きな意味のあることなのだと思う。

 私も今回改めて、日本と中国はやはり怨讐関係なのだということを痛いほど感じさせられた。そのうえで、どうしたら両国がより良い関係を築き、お互いの未来を切り開いていけるようになるだろうかと深く考えさせられた。

 いま一度、お父様のみ言に立ち返り、真の愛による平和統一世界の実現を願い、できることから始めていきたいと思っている。


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Category: 特集