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【TOPIC】ホスピタルチャーチと祈願書の奇跡

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北海道教区で「霊的コペルニクス的転回」として注目されている教会づくり・信仰生活のコンセプト:「ホスピタルチャーチ」の取り組みを上舘教区長に報告していただきました。

報告

北海道教区 教区長 上舘 一友

◆教会の目的は堕落人間の病院であり再生工場

 「人間は、何人といえども、不幸を退けて幸福を追い求め、それを得ようともがいている」 『原理講論』の総序はこのように始まっています。 幸福になる前になぜ不幸に 「あらゆる力が授受作用によってのみ生じることができるのだとすれば、良心もやはり独自的にその作用の力を起こすことはできない。すなわち、良心もまた、ある主体に対する対象として立ち、その主体と相対基準を造成して授受作用をするからこそ、その力が発揮されるのである。我々は、この良心の主体を神と呼ぶのである」(『原理講論』五二ページ)

 『原理講論』は、思いという心の力は「自分だけから独自的に起こることはありえない」と断言しているのです。力は授受作用であるので、私の心の前に、霊的主体があって、その霊的主体との授受作用をして出てくるのが「私の思い」という力なのです。

 私たちに本心と邪心の矛盾性があるということは、邪心の主体も存在するということです。幸せになるためには、悪なる霊的主体をどのように整理するかが、信仰生活の非常に重要なポイントとなります。

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◆霊的コペルニクス的転回

 「原理」が主張しているこの心の構造を正確に理解するには、正に「コペルニクス的転回」が必要になります。

 私たちは「心の中で私が思なってしまうのでしょうか。総序では不幸の根本原因は本心と邪心の矛盾性だとはっきり述べています。

 不幸の原因となる本心と邪心の矛盾性の病気をいかに的確に治療し、神の子としていかに再生されるかが教会の目的であり、そのための治療が牧会であり、信仰生活であるとのコンセプトで教会作りをしてきました。これをホスピタルチャーチと呼んでいます。

 今回は祈願書を使った牧会指導・カウンセリングの方法を紹介します。

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◆心の二重構造

 まず、矛盾を心に引き起こす力がどのように生ずるのかを知らなければなりません。では、「思いの力」はどのように出てくるのでしょうか。っている」とただ単純に考えています。しかし、主体・対象の心の二重構造を考えたときに実はそう単純ではありません。「思う」という行為に対しての一般的な考え方は実は霊的天動説とも呼べるもので、「私の心」が主体であり、その周りを霊的主体が回り、「心の中で私が思っている」と捉える考え方です。一方、霊的地動説は、霊的主体が授受作用の中心として、その周りを私の心が回り、円形球形運動をしながら、「霊的主体に、私の心が思わされている」と捉える考えです。

 

ホスピタルチャーチ1

祈願書を書く参加者

 霊的天動説ではなく、霊的地動説だと「原理」は主張しています。二十四時間、「私の思い」は「善なる霊的主体か悪なる霊的主体」に「思わされている」ものであり、自分が思っているということはないということです。夫が嫌だとか、あの人が憎らしいとか自分が思っているのではなく、悪なる霊的主体に「思わされている」ということです。

 大母様は次のように語られています。

 「私が皆さんを見てみると、自分自身の精神と心で生活している場合より、悪霊たちに主管されている精神で生活している場合が多いのです。皆さんは『私自身の思いのままに生活している』と思うでしょうが、私が見るとそうではありません。皆さんの思いどおりに生活できている場合は極めて少なく、むしろほとんどサタンと悪の主管のもとで生活しているのです」(二〇〇七年十月、第八百五十回清平二日修練会)

 このメッセージによれば、私の心の主体に神様が立つことはほとんどなく、悪霊がその主体の立場に立ち、さまざまなことを思わせ、私たちはそれを「自分自身の思いのまま」だと勘違いしているというのです。「自分から出てくる思い」を、「神から出てきた思いか悪霊から出てきた思いか」と絶えず問い続けないといけないのです。

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◆神の子の完成と悪霊分立の必要性

 悪なる霊的主体が、夫を憎らしくさせ、子供を見るといらいらするようにさせるのです。カウンセリングにおいて、「あなたはなぜ夫を愛せないのですか」と詰め寄っても、夫を愛することができないようにする悪霊という悪なる霊的主体が存在している以上かなり難しいことになります。

 大母様は、「祈願書一枚には、すでに決められた条件が付与されています。ですから、その条件を立てて祈願書を一枚書けば、一枚書いただけ病気と苦痛をもたらしている悪霊たちの役事が止まるのです」と語られています。(二〇〇四年十一月二日、清平・天城旺臨宮殿)

 夫を愛せない、人を信じられない、不安だなどの思いを起こさせる霊的主体となっている悪霊を止めたいと祈願書に書けば、その思いに対応した悪霊たちの作用を止めることができるということです。無理に自己否定しなくても自然に心を変えることが可能なのです。

 このコンセプトをベースにカウンセリングをしたところ、驚くほど早く参加者たちの心が変わりました。本人自身も無用な葛藤をしていたことを悟り、自分自身が神の子として生まれ変わったという実感を多くの人たちが持つことができたのです。

 さらに、今度は自発的に自分の悔い改めを文章化し、祈願書に書きながら、人間関係、夫婦関係、そして親子関係が回復するなど、多くの奇跡が起きました。

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ホスピタルチャーチ2

宋総会長を札幌の聖地にお迎えして(後列左から4人目が上舘教区長)

◆ホスピタルチャーチの証し

 A子さんは韓国の男性と四億組の祝福を受けました。数年前に韓国で家庭を出発しましたが、「主体者と一緒にいると殺される」という思いから逃れることができず、姑との関係も大変になり、家から飛び出し、一年ほど家には帰っていませんでした。

 そのうちに日本にいるA子さんのお父さんが亡くなり、ご主人は葬儀に参加しましたが、そこで冷遇されるような形で帰ってしまいました。それから約二か月後、A子さんが札幌南教会に来ました。

 事情を聞き、彼女の事情と内的な葛藤に即した祈願書の文章を作り、四十枚ほど還元祈願書を書きました。

 書き始めると、A子さんは「自己否定しなさいと言われると、今まで責められて我慢してきたのにこれ以上傷つきたくない。それをするくらいなら変わらなくてもいい」とか、「教会や夫の家など前と同じ環境に戻りたくない」という思いが出てきたといいます。それを新たに加えて書くと、「絶対に赦さない。お前一人助からせてなるものか。絶対に祈願書に書かせない。赦さない」とか、「お前を苦しめるのが生き甲斐なのに、それがなくなったら行き場がない」といった思いが出てきたそうです。彼女は霊的にかなり敏感で、それが男性たちの声としてはっきりと聞こえたようです。この思いに対応するよう文章化し祈願書に書くよう勧めました。

 すると、次の日A子さんは「これ以上、教区長の話を聞きたくない」とか「解怨されたくない、騒げば祈願書に書かれるから潜めていよう。嫌だ。書くな」と頭の中で恨(ハン)霊たちが相談しているのがはっきりと聞こえたそうです。彼女の場合は、この後もいろいろな言葉が聞こえたり、場面が見えたりしました。その度ごとに、出てくる内容に即して悔い改めながら文章を祈願書に書いていきました。それを毎日繰り返しているうちに大分落ち着いてきて、天宙清平修錬苑の春の大役事に参加することになりました。

 大役事の後、霊的に整理されたとはいえ、そのまま帰してよいか不安な部分もありましたが、主体者、姑と一緒にやっていけそうだということで、そのまま家に帰りました。

 それから、しばらくしてA子さんは妊娠し、かわいい娘さんを出産しました。

 霊的主体の動きを見ながら、祈願書を用いるカウンセリングは驚くほどの効果があります。新規伝道の窓口としても、食口(シック)の教育としても一番本質的な部分を一貫して指導できるのが強みです。


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Category: ヘッドライン, 特集